'Io!


いーよいーよ さいぺさいぺ
by gon-puaka
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2010年 12月 13日 ( 1 )


ととのいました~

10年前の若かりし学部生の頃、私は彫刻をやっていました。
珍しさもあるだろうし、彫刻っていうと 「へ~すごいね~」 と言われたりすることもあったんですが、
私は別に上手な人でもなく、ただ好きとか面白いってだけでやってて、
その頃よく思ってたのは、

「夕日がきれいだなあ~とか、美しいものに感動する気持ちがあって、粘土をこねたり木を削ったりする手足があれば、彫刻なんて誰でもできるのになあ~」

ってことでした。


で。

最近修論に書こうと思って現代アートの作家宮島達男の事を調べてたら、その時の私が考えてたそのまんまを彼が的確に文章にしているのを発見しました。


春。あたたかな日差しの中、薄紅色の桜の花びらが舞う。そんなさまを見て美しいと思わない人はいないでしょう。
また、秋。澄み切った夕暮れの茜色の空を見て「きれいだなあ」と思わない人もいないと思います。
小学校から聞こえてくる子どもたちの歌声に、心が洗われたことはないでしょうか。
そうした人間の営みすべてに「美」が関わっています。
それは、人間の心に美しいと感じるチャンネルがあるからです。
素晴らしいと感動できる心がある証なのです。
それがアートというものであり、意識するしないに関わらず誰にでも必ず具わっているものなのです。 

インドの詩聖タゴールは「『美』はそれを見る人間によって初めて実現化する」と言いました。
なぜなら、アポロ像という有名で美しい彫刻作品も、見る人がまったく存在しなければ、それは単なる石であり、もはや、美しくもなんともないはずだ、と。
確かに、人びとに「感動」というチャンネルがなく、美しいと思う「心」がなければ、彼らはつくる意味すら失ってしまうでしょう。
歌手も感動してくれる聴衆がいるからこそ歌う。
ひとりで練習することもあるけれど、それさえ、いつか誰かに聴いてもらうためのはずです。
だから、アートの主役は受け手であるあなたなのです。
ここで言う「美」や「感動する心」がアートの本質なのです。

Art in You。
アートはあなたの中にある。
そして、すべての人の中にある。
それゆえアートを理解するのに特別な勉強は必要ないし、ましてや身分や学歴などは関係ありません。
なぜならそれは、もともと自分が持っているものなのですから。


だってさ。
さらに


フランスの文学者サルトルはかつて、「文学はアフリカの飢えた子供を救うことができるか」との問いを発しました。
アートについても、特定の作品が、物理的に子どもたちを救うことはできないかもしれない。
しかし、アーティストという一個の「人間」にならできるのではないでしょうか。

もし人が、紛争で殺された小さな子どもの血だらけの遺骸を抱き、泣き叫ぶ母を想像できたら。
もしクラスター爆弾で家族すべてが殺され、ひとり取り残された幼い少女の恐怖を想像できたら、人は決して戦争なんかしないでしょう。

私は、スペインの有名な音楽家パブロ・カザルスのこんな言葉を紹介しました。
「私は第一に一個の人間であり、第二に芸術家であります。人間としての私の第一の責任は、わが同胞の幸福のために尽くすことです」
アーティストの肩書を捨てて、一個の人間に立ち返ること。
ここから、すべての「アート」は始まるのではないでしょうか。

「アート・イン・ユー」は、そもそもこの地点から出発したいとの想いから始まったものなのです。
「人間の中にアートがある」のです。
あくまでも人間が根本です。
他者のことをよりよく理解できる想像力も、新しい価値を生み出す創造力も、感動する心も、すべて、人間である私たちがもともと持っている宝物なのです。
そのことに気づいて、その宝物を開いてほしい。開いて、できることから行動してほしいのです。
そのきっかけとして「アート」というものがある。



なんだか感動しすぎて今書いてるパートが宮島達男論みたいになってしまいそう、、、

そもそも途上国の恵まれない子供達に絵を描かせて、子供達が癒されましたとか、力強い色使いに見ているこちらが励まされました、とかそういうのがどうも馴染まなくて、絵描かせてりゃいいってもんでも無いだろうとも思ってて、何か他に無いだろうか、と探していてたどり着いたのだけど、宮島達男って何回か作品見て名前は知ってたけど、こんな思想を持ってる人だなんて全然知らなかった。
でも、このコンセプトは彼の本にしつこく何回も書いてるから、ちゃんと勉強してる人は当然知ってるものなんだろうけど。

で、自分が国際協力の端っこにちょっと絡んでた事やら、10年前に考えてた事やら、この前のJENESYSの事やら(だってテーマが文化・教育を通じた平和構築!)
色んな事がここに集まってきて、そっかー、こんな事考えてたんだ私!っていう発見。
嬉しいです。

最近修論書いてると、悶々と悩んだ末にパズルのピースがパチッとはまる瞬間があって、それが最高に快感です。
悩む時間が長すぎるのが悩みですが、、、
時間切れの恐怖に追われつつも楽しんで書いてます。

で、修論の結論もここでちょっと変更。
当初は実際的な条件を並べて結論にするつもりだったけど、
美術教育の根本的な意味みたいなものも書いとかないとな、と思い始めました。(←今更かいっ!)

平和のための美術教育!
タイトルばっかり大げさな、、、
う~ん、何とも私らしい情緒的でウエットな論文になりそうやな~。
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by gon-puaka | 2010-12-13 21:45